- トライアルに合格したのに仕事の依頼が来ない・・・
- 翻訳者としてのスキルが足りていないのかな?
- 別の会社のトライアルも受けるべき?
- そもそも初心者は仕事をもらえないの?
トライアル*¹ に挑戦中の皆さん、こんなお悩みはありませんか?
トライアルに合格して一安心したものの、何週間も仕事をもらえないのは不安ですよね・・・
収入の目処が立たず、「なぜ合格できたんだろう?」と疑心暗鬼になってしまうかもしれません。
*¹ 翻訳会社が実施する入社テスト。翻訳スキルや言語スキルなどをチェックされる。
「補欠合格なの?」って思っちゃうよ
合否だけじゃ何もわかりませんよね・・・
ただ仕事を来るのを待ってるしかないの?
それはよくありません!
自分から積極的に営業しましょう
- トライアル合格後すぐに仕事をもらえない人は少なくない
- 会社の都合である場合が多いから確認が必要
- 積極的に営業してスキルをアピールすることも重要
- 別の会社を狙うなら海外企業がおすすめ
- 仕事が安定するまでは継続的なスキルアップも必要
今回は、翻訳学習者&初心者向けに「仕事が来ないときにやるべきこと6つ」を紹介します。
仕事の依頼が来ない時こそ積極的に行動し、自らチャンスをつかみましょう!
トライアルに合格しても仕事が来ないことはある?
翻訳経験がない初心者の場合、トライアルに合格しても仕事の依頼がないということは結構あります。
翻訳初心者100人を対象としたアンケート&口コミから、「仕事が来ない」と悩む人の現状を見てみましょう。
翻訳初心者100人に対するアンケートの調査結果
- 翻訳学習者または実務経験がない初心者 (英↔日翻訳)
- 翻訳トライアルに合格した経験がある
アンケートでは以下の2つの質問をしました。
- トライアル合格後、どのくらいの期間で仕事の依頼がありましたか?
⇨1か月以内/3か月以内/6か月以内/6か月以上依頼がない
- 「6か月以上依頼がない」と回答した方は、何か行動を起こしましたか?
この表からわかるように、半数以上の人がトライアル合格後6か月以内に仕事をもらっています。
一方で、「6か月以上依頼がない」と回答した人が32%となっており、別の会社のトライアルを受験するなどの行動を起こしているようです。
6か月経っても仕事が来ないのは不安だよね・・・
SNSでの翻訳者の口コミ
Xはトライアル合格者のリアルな声で溢れています。
「トライアルに合格したけど仕事が来ない!」という声がある一方で、「営業したら仕事をもらえた」というポジティブな体験談も。
トライアル合格。これで仕事が来れば御の字だが…。合格したからと言って仕事は来ないのよね~~。
— つっちー (@piyontuchy) April 5, 2013
トライアル後の連絡ないからあきらめてた会社から合格の通知がっ⸜(ˊᗜˋ*)و”ワーイ! その間に応募してた2社からも問い合わせだのトライアルだの…そして翻訳外の仕事も軌道に乗りだしてる。取引先はアメリカ、インド、シンガポール…富士の麓でなんとなくグルーバル🗻
— Romy (ひろりん) (@qhirorin) April 25, 2024
トライアル通ったっきりまったく音沙汰ないところが2件ある。ねえ、仕事ないの?なんでないの?ねえ、通ったジャントライアル、なんで来ないの?ねえ?なんで?ねえ、聞いてる?ねえ、ねえってば?ってつついてみようかな
— 元Noriee.2522 翻訳でFIRE目指す単価3桁陰キャ粘着系DQN翻訳者 (@Noriee_2522) May 17, 2023
今日トライアル合格連絡がきた会社に営業メール出したらすぐにお仕事の打診が。せっかくだから受けた。今日は夜ほんだ。頑張らねば!!
— e_so5 (@e_so5) October 9, 2013
いずれの場合でも、「合格してすぐに仕事をもらえるケースは少ない」と思っておいたほうが良いでしょう。
翻訳の仕事が来ない主な理由とは
主に会社側の都合であることが多いですが、翻訳スキルが十分でないと判断されている可能性もあります。
初心者が仕事をもらえない主な原因について、詳しく解説します。
- 進行中の案件がない
- 翻訳経験や実績が足りていない
- プロジェクト自体が頓挫してしまっている
進行中の案件がない
翻訳会社では、以下のような場合に求人を出すことが多いです。
- すでに動いているプロジェクトに人材を補充する
- すぐに開始予定のプロジェクトに参加できる人材を確保する
- 待機要員をストックしておく
進行中のプロジェクトであれば仕事を割り当ててもらえる可能性がありますが、潜在的なプロジェクトでは文字通り「待機」することになってしまいます。
「良さそうな人をストックしておく」という感じだね
業務委託あるあるですね・・・
フリーランス翻訳者が一社に留まる可能性は低いので、会社側でも常時人材をストックしておきたいという意図があるわけです。
翻訳経験や実績が足りていない
トライアルは初心者だけが受けているわけではありません。
複数の合格者がいた場合、経験のある別の合格者が優先されてしまうこともあります。
「人手不足でない限り、経験のある翻訳者に任せたい」というのが会社側の本音かもしれません・・・
「合格したんだから仕事がほしい!」と思う気持ちは誰しもありますが、経験がないうちは仕事獲得に時間がかかると思っていたほうが良いでしょう。
そっか!ベテランでもトライアルを受けることがあるんだね
プロジェクト自体が頓挫してしまっている
スタートアップ企業などの場合、新規プロジェクトの立ち上げに合わせて翻訳者を募集することがあります。
しかし、会社の経営状態や発注体制が整っていないことが原因で計画倒れになってしまうことも・・・
こればかりは、翻訳者が予測できることではありませんね。
ドタキャンみたいだね・・・
予算倒れが原因の場合もあるようです
翻訳の仕事が来ない時にやるべきこと7つ
仕事が来ないからと言って、何もせずに待っているのはよくありません。
ここでは、すぐに取るべき具体的なアクションを6つ紹介します!
- 進行中のプロジェクトがあるかどうかを確認する
- 契約条件を再確認する
- 翻訳会社の担当者にアピール
- すでに進行中/開始予定のプロジェクトがある求人を狙う
- 海外企業の「Urgent案件」に応募する
- 複数の会社のトライアルを受けて契約先を増やす
- クラウドワークスやGengoなどで小さな案件を受注する
①進行中のプロジェクトがあるかどうかを確認する
トライアルに応募する経緯としては、以下の2パターンが一般的です。
- 「Xプロジェクトのメンバー募集」のような既存のプロジェクトに応募してトライアルを受験する
- プロジェクト単位ではなく、会社に登録しておくためにトライアルを受験する
後者の場合は、現在進行中/開始予定のプロジェクトがあるかどうかを確認してみてください。
「空きがあるプロジェクトに参加したい!」とアピールするのも良いですね
プロジェクトマネージャや採用担当者が窓口になる場合が多いので、採用時にやり取りした担当者に連絡すればOKです。
②契約条件を再確認する
契約時に決めた翻訳単価・稼働可能時間・1日に翻訳可能なワード数などを見直してみるのも手です。
会社にとっては稼働時間や翻訳量が多いほど都合がよい場合が多いので、可能であれば修正して提案してみましょう。
たとえば、履歴書に記載したものよりも低めの単価を提示します。
もちろん必要以上に妥協する必要はありません!
自分が無理なくこなせる作業量や時間を考慮に入れて検討してみてください。
③翻訳会社の担当者にアピール
最初にやり取りした採用担当者・プロジェクトマネージャに連絡して、ストレートに「仕事がほしい」とアピールしてもOKです。
フリーランスの場合は、会社とのやり取りが希薄になりがち。
担当者と密に話し合う機会を作って、仕事獲得のきっかけを作りましょう!
ポートフォリオとして「翻訳サンプル」を提出するのもおすすめ
規模が大きな会社では特に、自分の存在を認識してもらうまでに時間がかかります。
こまめに連絡して担当者と親しくなれば、「仕事を任せたい」と思ってもらえる可能性が高まります!
④すでに進行中/開始予定のプロジェクトがある求人を狙う
求人情報で「URGENT」「急募」となっているものを見つけて、積極的に応募してみてください。
翻訳ポータルサイト「アメリア」を例に挙げると、「常時募集」となっているものを避けるのが無難です。
「急募」の求人の方が仕事をもらいやすいってこと?
プロジェクトが動いているので、トライアル合格後に仕事を受注できる確率も高めです
応募する際に「すぐに受注できる案件はありますか?」とメールで聞いてみても良いでしょう。
⑤海外企業の求人に応募する
海外企業では特に、「URGENT (急募)」求人を出している会社が多いです。
「URGENT」でない場合でも、同じ会社の別のアカウント*² で欠員が出た時にオファーをもらえることがあります。
日本企業と比べて人材の流動性も高めなので、初心者でもチャンスが多いと言えるでしょう。
「流動性が高め」ってどういうこと?
「一つの会社に留まらず、別の会社に移る人が多い」ってことです
*² 会社によって呼び方はさまざまですが、「クライアント名」や「ブランド名」をアカウントと呼ぶことが多いです。
○○社の翻訳案件であれば「○○アカウント」というように、チームをわかりやすく区別しています。
⑥複数の会社のトライアルを受けて契約先を増やす
最初のうちはたくさんトライアルを受験して、仕事をもらえるチャンスを増やしましょう。
案件量が多い会社であっても仕事が減る時期があるので、複数の会社に登録しておくと安心です。
私は主に2社から仕事を受注していますが、仕事が少ない時期には別の会社の仕事も受けています。
大抵のフリーランス翻訳者は複数の会社に登録しているけど、会社と良好な関係を築いていても会社自体が吸収・合併されてなくなってしまうこともあるし、担当者が辞めてしまうこともあるから、1社に依存し過ぎないことが大事。リスク回避のためにも、常に新規開拓を続ける姿勢が必要だと思う
— ランサムはな│Hana Ransom, CT 🇺🇸🇯🇵在米翻訳者&ユーチューバー (@HanaKRansom) August 20, 2021
フリーランスの翻訳者は、リスク分散のために複数の翻訳会社に登録するのが通常かと思います。当方は、ピーク時に11社と取引実績がある年がありました。これはいくらなんでも多すぎた。納品形式や請求方法が各社異なるので、それに合わせるのが大変。帳簿を付けるのも一苦労でした。
— yagami@産業翻訳者🇯🇵🇺🇸 (@royo170) October 1, 2019
⑥クラウドワークスやGengoなどで小さな案件を受注する
仕事が来なくて不安定な時は、クラウドワークスなどで単発の案件を受けるのもおすすめ!
翻訳会社の案件よりも単価が低いのがデメリットですが、まったく仕事をもらえない時は収入の支えになります。
他にもGengoという翻訳会社では、経験がない初心者でも案件を受注しやすくなっています。
仕事が安定するまでは低単価で修行!だね
実務に触れながら翻訳力も強化できますしね
継続的に仕事をもらうためにはスキルアップも重要
翻訳会社の探し方や契約交渉について説明しましたが、常にスキルアップすることも重要です!
自信を持って仕事を受注できるように、以下の3つを継続的に行いましょう。
- 基礎的な英語力を強化する
- 翻訳力を鍛える
- 日本語力をブラッシュアップする
①基礎的な英語力を強化する
翻訳者になった後でも、英語力を継続して強化する必要があります。
初心者には以下の対策がおすすめです。
- 文法書で基礎文法のおさらいをする
- TOEICなどの資格試験の問題を解いて基礎力を高める
- 翻訳講座やセミナーを受講する
特に、英文法は翻訳に欠かせない知識です。
文法力と構文解釈力を同時に磨ける「英文添削サービス」もおすすめです!
おすすめの文法書や英語学習法などは以下の記事で紹介しています。
②翻訳力を鍛える
即戦力となるには、実践的な翻訳スキルを強化しておくことも重要です。
私は、以下の方法でスキルアップしていました。
- 翻訳講座を受講&復習する
- 翻訳関連の本で知識を習得する
- 多言語展開のウェブサイトで英語と日本語訳を対比して訳し方を学ぶ
翻訳講座や翻訳に特化した本を活用すれば、より実践的な訳し方や表現法を学べます。
私がおすすめする翻訳学校&講座については、こちらで詳しく解説しています。
③日本語力をブラッシュアップする
翻訳では英語力と同じくらい日本語力が重要です!
どんなに英語力が高くても、わかりやすく正しい日本語を使えなければ即戦力にはなれません。
私が日頃から行っている「日本語力強化法」はこちらです。
- 多言語展開のウェブサイトで日本語訳をお手本にして訳してみる
- 本を利用して日本語の文法や語彙を強化する
- 日本語に関するセミナーを受講する
- エディターズスクールなどの日本語講座を利用する
日本語力を鍛える方法やおすすめ本については、こちらで詳しく解説しています。
翻訳の仕事が来ない時は営業とスキルアップが重要!
今回は、「トライアルに合格したのに翻訳の仕事が来ない」場合の対策について解説しました。
この記事のポイントをまとめると・・・
- トライアル合格後すぐに仕事が来ないことはよくある
- 会社と契約内容について交渉することが重要
- 積極的に営業してスキルをアピールしよう
- 海外企業を狙うと案件をもらいやすい
- 常に英語力と日本語力を強化することが大事
トライアルに合格できたことは「翻訳者として活躍するための大きな一歩」です!
常に案件を受注して安定的な収入を得られるように、今回紹介したことを実行してみてくださいね。