- 翻訳者になるには何から勉強すればいい?
- TOEICは受けたほうがいいの?
- 翻訳で稼げるようになるにはどんなステップを踏むべき?
- 未経験から翻訳を始めて稼いでる人の実体験が知りたい!
「翻訳は食えない」という意見もあるため、翻訳者は不安定な職業だと思っていませんか?
夢のような高収入を見込める職業ではありませんが、私は翻訳で安定収入を維持しています。
40代から始めている翻訳者も多く、年齢を問わずに長く続けやすい仕事です!
- 未経験から勉強を始めても、数年以内に翻訳で稼げるチャンスは十分にある
- TOEICから勉強を始めれば効率的な英語力アップが可能!
- 確実なステップとして、翻訳学校/講座は絶対に活用すべき
- 短期間で収入アップしている人は常にスキルアップを意識している
私は30代後半で会社を退職し、翻訳の勉強を始めてから3年で月収50万円を達成しました。
もちろん簡単に稼げるようになるわけではなく、最初は寝る暇もなく勉強していました。
今でも毎日英語を勉強しています!
肝心なのは現在の英語力ではなく、本気で勉強して実力にできるかどうかです。
今回は「翻訳者デビューするまでの3ステップ」「私が翻訳で稼ぐまでのロードマップ」「未経験のうちにやるべきこと」を詳しく解説します!
未経験から翻訳者デビューするまでの3ステップ
未経験から翻訳者デビューするまでの一般的なステップは、以下のとおりです。
ステップ1:翻訳学校/翻訳講座でスキルを身に付ける
翻訳には高い英語力が必要ですが、実務をこなせるようになるための専門的なスキルも欠かせません。
独学で勉強するよりも、翻訳学校が開講している講座で実践力を身に付けるのがおすすめ。
翻訳に必要な英文法の知識から高度な訳し方まで、翻訳学校ならではのアドバイスを受けられます。
プロの翻訳者による添削が受けられるので、即戦力として働ける実力が身に付きます!
私はフェロー・アカデミーの翻訳講座で勉強しましたが、何よりもプロによる添削が役に立ちました。
通学・通信を選べるだけでなく、単発の講座も随時開講されています!
ステップ2:翻訳会社のトライアルに合格する
翻訳学校や翻訳講座を修了したら、いよいよトライアルに挑戦します!
翻訳トライアルとは、翻訳会社が実施する入社試験のようなもの。
1,000ワード以下の短い英文を翻訳する試験が一般的ですが、専門知識を問われる試験もあります。
求人サイト経由で募集して、書類選考に通るとトライアル問題が送られてきます。
翻訳トライアルに応募する主な方法
- 翻訳特化型の求人サイトから応募する:アメリア、Translation Directoryなど
- LinkedInの求人ページから応募する
トライアル受験自体がスキルアップにつながるので、ぜひ積極的に挑戦してみてください!
ステップ3:翻訳会社に登録して仕事を受注する
翻訳トライアルに合格すると、晴れて翻訳会社に登録できます!
翻訳者としてリストに登録され、プロジェクト(翻訳の仕事)が発生すると会社からオファーが届きます。
未経験の場合は合格後すぐに仕事をもらえないケースが多いので、複数の会社に登録しておくことをおすすめします。
勉強を始めてから翻訳者として月50万円稼ぐまで
英語は結構得意でしたが、はじめは「自分が翻訳者になれるのか?」と不安だらけでした・・・
当時会社員をしていた私は、まずはTOEICを受験するところから勉強を開始。
短期間で翻訳者デビューすることを目指して毎日必死に勉強していました。
月収50万円を達成するまでのロードマップ概要
- 会社員をしながらTOEICの勉強
- 会社を退職&翻訳講座を受講
- トライアル受験&合格
- 初めて仕事を受注
- 低単価の翻訳案件で下積み
- アメリカの翻訳会社から常時プロジェクトを受注
- リード翻訳者に指名されて収入アップ
これらのステップを一つずつ詳しく説明します。
STEP①会社員をしながらTOEICの勉強
まず重要なのは、TOEIC900点以上の高い英語力を身につけることです。
私は大学で言語学 (日本語) を専攻していましたが、英語の資格は高校時代に取った英検2級のみ。
英会話もダメダメでした・・・
日本語スキルには自信があったものの、英語力が高いという自信はまったくありませんでした。
そこでまず、会社員をしながらTOEICの勉強を始めました。
独学でTOEICの勉強を始める
学生時代も含め、私は一度もTOEICを受験したことがありませんでした・・・
とりあえず「金のフレーズ」と「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」を買って勉強を開始。
自分のレベルを把握することもできず、ただやみくもに問題を解いていました。
TOEIC初受験で650点を取得
参考書をやり終えることなくTOEIC本番の日を迎え、初受験の結果はまさかの650点・・・
「これはまずい!翻訳者に必要な900点にはほど遠い!」と、かなり焦りました。
時間も全然足りず、リーディング問題をすべて解ききれませんでした
最短で目標スコアを達成することに限界を感じ、TOEIC講座の受講を決意します。
コーチングを利用して2回目のTOEICで800点超え
短期間でスコアアップするために、スタディサプリのコーチングを受けることにしました。
私が選んだのは「スタディサプリTOEIC対策コースのパーソナルコーチプラン」。
担当コーチが作成したプランに沿って学習を進め、毎日必ず進捗を報告しなくてはなりません。
つまり、サボれません!笑
コーチの併走のもと約3か月集中的に勉強し、2回目の受験で835点を取得できました!
目標のTOEIC900点を達成
それからさらに3か月後、ついに900点を取得!
スタサプのコーチに勧められ、同時進行で英文法対策を行ったことが勝因でした。
私が使っていた教材はこちら
- スタディサプリのオリジナル教材 (TOEIC公式問題集も含む)
- 話すための英文法ハック 100
- ロイヤル英文法
TOEIC対策本はスタサプ教材と公式問題集のみです
900点を取得して「翻訳者を目指すためのスタートラインに立てた!」と自信を持つことができました。
STEP②会社を退職&翻訳講座を受講
37歳で会社員を辞めることに対して、正直不安しかありませんでした。
しかし、TOEIC900点を取得したことで翻訳学校の入学条件をクリア!
「翻訳の勉強に専念するぞ!」という思いで一念発起しました。
翻訳講座には「TOEIC700点以上」などの受講基準があります
複数の翻訳学校がある中で、地方在住の私が選んだのは通信講座を開講している学校でした。
さらに、翻訳学校としての歴史が長く、講師の質に定評がある学校に絞り込みました。
フェロー・アカデミーの翻訳講座を受講
老舗の翻訳学校であるフェロー・アカデミーは、数多くの翻訳者を輩出しています。
速習講座もあり、短期間で翻訳スキルを身に付けたい人に最適です。
私が受講した講座
- 翻訳入門<ステップ18>速習コース
- 実務翻訳<ベータ>速習コース
短期間で講座を修了してトライアルを受験したかったので、毎日の学習時間は8時間!
講師による添削も的確で、構文の解釈法や自然な日本語表現などを体系的に習得できました。
添削回数が多いのもポイント!
ISSインスティテュートの単科講座を受講
フェロー・アカデミーの講座を修了してから、ISSインスティテュートの単科講座も受講しました。
ISSでは単科講座を随時開講しているので、学びたい分野に特化して学習できます。
単科講座は「5回完結型」のように短期間で受講できる講座です
ISSにもベテラン講師が多く、間違いやすい構文やワンランク上の訳出テクニックなどを習得できました。
私が受講した講座
- ハイレベル英文法集中講義
- 翻訳チェッカートレーニング
STEP③トライアル受験&合格
約1年間の翻訳通信講座を修了し、いよいよ翻訳会社のトライアルを受験します。
いち早く合格を勝ち取りたかったので、月に2~3社のトライアルを受験しました。
求人サイトで翻訳会社を検索
まずは翻訳会社のリサーチから!
国内の翻訳会社と海外の翻訳会社では、チェックすべき求人サイトも異なります。
有料登録が必要ですが、国内の翻訳会社の求人や翻訳に役立つ情報をチェックできます。
飜訳の仕事をするなら絶対に登録しておくべきサービスです。
国内&海外の翻訳会社の求人をチェックできます。
案件単位で応募することもできますが、会社に直接メールして履歴書を送ってもOKです。
ビジネス版SNSのように活用しているユーザーが多く、求人も多数掲載されています。
無料で登録可能で、翻訳会社からのスカウトを受けられるチャンスもあります。
3社のトライアルに応募
まず最初に応募したのは、アメリアで募集されていた翻訳会社のトライアルでした。
国内A社 | 大手 | IT関連のマニュアルの翻訳 (約600ワード) | |
中国B社 | 中堅 | IT関連文書の翻訳 (約400ワード) | |
米国C社 | 中堅 | ITマーケティング文書の翻訳 (約800ワード)/IT知識に関するテスト |
ITを専門にしたいと考えていたので、IT分野のトライアルに絞って求人を検索。
中国と米国の会社については、それぞれTranslation DirectoryとLinkedInで見つけて応募しました。
得意な分野があれば、その分野に絞って応募すると良いでしょう
書類審査に通過&トライアルを受験
応募した3社の書類審査に通過し、いよいよトライアル課題に取り組みます!
トライアル問題はメールで送付され、5~7日程度の提出期限が設けられています。
各社ともワード数は1,000ワード以下でしたが、特に日本企業のトライアルは内容が専門的で苦戦しました。
書類審査に通らないと受験できないんだね!
たいていの場合はそうですね。履歴書の書き方も重要です
最初のトライアルに不合格
最初に受けた大手翻訳会社のトライアルですが、結果は見事に惨敗・・・
「最初からそんなにうまくはいかない」とわかっていても、やはりショックでした。
トライアルの答案は返却されない場合が多いので、ミスを振り返ることもできません。
点数や合否の基準がわかる場合もあるの?
非公開の場合が多いですが、結果表を送ってくれる会社もあるようです
提出した訳文のコピーを見直しながら、次のトライアルに備えました。
複数の翻訳会社から合格をもらう
最初の不合格でしばし落ち込みましたが、2社目から合格通知が届きました!
アジア圏の翻訳会社で単価は低めでしたが、合格できた喜びはひとしお。
これを機に次々と合格をもらえるようになり、半年後には登録した翻訳会社が10社を超えました。
受験した時期 | 受験した会社 | 合格数 |
---|---|---|
1か月目 | 国内1社・海外2社 | 2社合格 |
2か月目 | 国内1社・海外2社 | 2社合格 |
3か月目 | 国内1社・海外1社 | 2社合格 |
4か月目 | 海外3社 | 3社合格 |
5か月目 | 海外2社 | 1社合格 |
STEP④初めて仕事を受注
翻訳会社に登録したからといって、すぐに仕事をもらえるとは限りません。
会社には「すでに動いているプロジェクトがない」「最初から未経験者に任せるのは不安」という事情もあるからです。
私が初めて案件打診を受けたのは、合格から1か月後でした。
すぐに仕事が来ないのは普通なの?
未経験の場合では普通なので、落ち込む必要はありません
初めてレビュー業務を受ける
初めての仕事は、国内の翻訳会社から受注したソフトウェアUIのレビューでした。
レビューとは、翻訳された文書を見直して修正する仕事です。
「チェック」や「校正」などと呼ばれることもあります。
500ワード程度の小さな案件でしたが、初めてなのでかなり緊張しました・・・
Excelファイル上でレビューを行いました
初仕事で大失敗:納期を勘違い
なんと、初めて受注したレビュー業務でありえない大失敗をしてしまいました!
納期を1日勘違いし、締切当日に会社から催促されてしまったのです。
結局は徹夜してなんとか間に合わせましたが、かなり肝が冷えました。
最初からやらかしちゃったね・・・
責任の重さを痛感しました
STEP⑤低単価の翻訳案件で下積み
未経験なので当然ですが、最初の1、2か月は1ワード5〜6円の低単価で仕事を受けていました。
主なクライアントは中国・インドの翻訳会社。
「しっかり下積みすることで翻訳スキルを高めよう!」という一心で、オーバーワーク気味で仕事していました。
中国の翻訳会社からの依頼が増える
中国・インド・シンガポールなどのアジア圏の翻訳会社では、欧米の会社よりも単価が低いケースがほとんど。
それでも毎日コンスタントに依頼が来るようになり、ようやく収入も安定してきました。
時には翻訳自体が難しく感じることもあり、通信講座の復習やリサーチをしながら必死に取り組みました。
- 日本企業: 平均8~10円
- アジア企業 (日本以外): 6~8円
- 欧米企業: 9~11円
※これらの値は平均的なレートであり、すべてこの限りではありません。
STEP⑥アメリカの翻訳会社から常時プロジェクトを受注
中国の翻訳会社で下積みを続けていたとき、アメリカの翻訳会社から常時プロジェクトのオファーが!
「常時プロジェクト」とは、単発ではなく定期的に案件が発生する安定的な仕事です。
自分が得意としていたITマーケティング翻訳だったので、これは大きなチャンスだと確信しました。
LinkedIn経由でオファーをいただきました
毎日途切れなく仕事が来るようになる
大手IT企業のマーケティング翻訳を任されるようになり、1日に2,000ワード程度の翻訳業務を受ける日々。
仕事をする中で「英語の読解力と同じくらい日本語力が重要」だと痛感しました。
特にレビューの仕事では、不自然な日本語表現を修正する力も求められます。
自分の得意な日本語を活かせるということもあり、どんどん仕事にのめり込んでいきました。
翻訳学校の単科講座でスキルアップ
常時プロジェクトのメンバーになれたこともあり、さらにスキルアップするために再び通信講座を受講しました。
受講したのは「マーケティング翻訳講座」。
翻訳者になる前にもお世話になっていたISSでは、単科講座が充実しています。
夜遅くまで予習や復習に取り組み、土日も勉強していました。
より専門的な授業でこなれた訳し方を習得できました
STEP⑦リード翻訳者に指名されて収入アップ
アメリカの翻訳会社で常時プロジェクトに参加するようになってから、メインのクライアントを2社に絞り込みました。
リード翻訳者に指名される
会社によって異なりますが、プロジェクトチームごとに「リード翻訳者」を配置する会社もあります。
海外企業では「ランゲージリード(Language Lead)」と呼ばれることも。
翻訳品質を改善・維持するためにチームに配置され、主に訳文のチェックや翻訳者の指導を行います。
参加していたプロジェクトで大きな評価を得たのがきっかけで、幸いにもリード翻訳者になることができました。
実力重視の海外企業では、短期間で昇進できるチャンスがあります
昇進をきっかけに翻訳単価&報酬アップ
当時の翻訳ワード単価は1ワード10円程度。
アジア圏の翻訳会社と比べれば満足できる単価でしたが、「収入アップしたい!」という思いは常にありました。
リード翻訳者に指名されたことがきっかけで、時給5,000円(日本円に換算)を実現できました。
単価アップは自分で交渉するの?
会社側から提案をもらえる場合もありますが、自分から積極的に交渉すべきです!
月収50万円を達成
リード翻訳者として高時給で仕事できるようになり、毎月の収入が激増!
平均して月収50万円を維持できるようになりました。
最初は単価や時給が低めでも、パフォーマンス次第で報酬アップが可能です。
何よりも重要なのは、「高い翻訳品質を維持すること」と「納期やルールを守って会社から信頼されること」です。
「メールの対応が早い」ことも評価してもらえました
未経験のうちから翻訳で稼ぐためにやるべきこと
約3年で月収50万を達成できた私が「やってきてよかったこと」と「翻訳で稼ぐためのコツ」を紹介します。
- ひたすら勉強してトライアル合格を目指す
- クラウドソーシングを活用する
- 積極的に営業してスキルをアピールする
- フィードバックから学ぶ姿勢を持つ
ひたすら勉強してトライアル合格を目指す
稼げるようになるまでは、徹夜やオーバーワーク、失敗もたくさん経験するはずです。
しかし、翻訳者として成功するためには一に勉強、二に勉強です。
「トライアルに合格できない」「合格したのに仕事をもらえない」という悩みの原因は、語学力の不足と営業不足である場合がほとんど。
私は、以下の方法で日々英語スキルと翻訳スキルを強化していました。
- 英語アプリで学習
- 翻訳講座の受講&復習
- 日常的に英語に触れる
語学力と翻訳スキルは比例します。
翻訳スキルが不足していると感じたら、リーディングアプリなどを使って文法力&読解力を強化するのもおすすめです。
クラウドソーシングを活用する
実務経験がないと、最初から安定的に仕事を受注するのが難しいこともあります。
その場合は「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングを活用するのも手です!
低単価の案件が多いものの、未経験でも仕事を獲得しやすいのがメリット。
登録は無料なので、随時チェックしておくと安心です。
積極的に営業してスキルをアピールする
「トライアルに合格したのに仕事が来ない」と不安になったら、積極的に営業するようにしましょう!
翻訳会社では、採用担当者やプロジェクトマネージャなどが翻訳者の窓口になっています。
採用時にやり取りした担当者に連絡して、「私が担当できる仕事はありませんか?」とストレートに聞いてもOK。
思いがけなく仕事を振ってもらえることもありますよ
資格の取得やTOEICのスコアアップなども随時報告して、自分のスキルをアピールすることをおすすめします。
フィードバックから学ぶ姿勢を持つ
翻訳会社によっては、自分が翻訳したものについてフィードバックを提供してくれる場合があります。
「ミスを指摘された!」と反発したり、「やっぱりダメなんだ」と落ち込んだりしないようにしてください。
経験者からの具体的なフィードバックは学びの宝庫!
素直に耳を傾け、自分のスキルとして吸収できるようにしましょう。
会社は素直に聞いて改善できる人を求めています!
稼げる翻訳者になるために戦略的にスキルアップしよう!
今回は「翻訳者デビューするまでの3ステップ」「私が翻訳で稼ぐまでのロードマップ」「未経験のうちにやるべきこと」を解説しました。
この記事のポイントをまとめると・・・
- 未経験から勉強を始めても、数年以内に翻訳で稼げるチャンスは十分にある
- TOEICから勉強を始めれば効率的な英語力アップが可能!
- 確実なステップとして、翻訳学校/講座は絶対に活用すべき
- 短期間で収入アップしている人は常にスキルアップを意識している
個人差はあるものの、未経験からでも翻訳者として成功できるチャンスは大いにあります。
翻訳トライアルに向けて、まずは翻訳学校のリサーチから始めてみてくださいね。