- 翻訳者になるには何から勉強すればいい?
- TOEICは受けたほうがいいの?
- 翻訳で稼げるようになるにはどんなステップを踏むべき?
- 未経験から翻訳を始めて稼いでる人の実体験が知りたい!
「翻訳は食えない」という意見もあるため、翻訳者は不安定な職業だと思っていませんか?
「年齢的に無理かも」と不安になる人もいるかもしれませんが、諦めるのは早すぎます!
- 未経験から勉強を始めても、数年以内に翻訳で稼げるチャンスは十分にある
- TOEICから勉強を始めれば効率的な英語力アップが可能!
- 確実なステップとして、翻訳学校&講座は絶対に活用すべき
- 短期間で収入アップしている人は常にスキルアップを意識している
私は30代後半で会社を退職し、翻訳の勉強を始めてから3年で月収50万円を達成しました。
もちろん簡単に稼げる翻訳者になれるわけではなく、最初は寝る暇もなく勉強していました。
翻訳者になった後も常に勉強しています!
肝心なのは現在の英語力ではなく、本気で勉強して実力にできるかどうかです。
今回は、私が実際に稼げるようになるまでのロードマップを紹介します!
勉強を始めてから翻訳者として月50万円稼ぐまで
英語は結構得意でしたが、はじめは「自分が翻訳者になれるのか?」と不安だらけでした・・・
当時会社員をしていた私は、まずはTOEICを受験するところから勉強を開始。
短期間で翻訳者デビューすることを目指して毎日必死に勉強していました。
月収50万円を達成するまでのおおまかなロードマップはこちらです。
仕事の空き時間にTOEICの学習を進める&TOEICを受験する
TOEIC900点取得をきっかけに仕事を辞めて、翻訳学校の講座に専念する
翻訳講座終了後に月2~3社のトライアルを受験し、複数の合格をもらう
トライアル合格から1か月後に初仕事を受注する
アジア圏の翻訳会社から低単価の案件を受注して経験を積む
アメリカの翻訳会社の大きなプロジェクトに参加して、毎日仕事を受注できるようになる
アメリカの翻訳会社で翻訳チームのリーダーに抜擢され、月収50万円を達成する
一つずつ詳しく説明していきますね。
STEP①会社員をしながらTOEICの勉強
まず重要なのは、TOEIC900点以上の高い英語力を身につけることです。
私は大学で言語学 (日本語) を専攻していましたが、英語の資格は高校時代に取った英検2級のみ。
英会話もダメダメでした・・・
日本語スキルには自信があったものの、英語力が高いという自信はまったくありませんでした。
そこでまず、会社員をしながらTOEICの勉強を始めました。
TOEICを受験する
学生時代も含め、私は一度もTOEICを受験したことがありませんでした・・・
よくわからないままにテキストを購入し、TOEIC学習をスタートしました。
TOEIC® L&R TESTの概要と戦略、おすすめアプリ&勉強法については、こちらもご覧ください。
TOEIC初受験で650点
とりあえず「金のフレーズ」と「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」を買って勉強してみましたが、初受験の結果はまさかの650点・・・
「これはまずい!翻訳者に必要な900点にはほど遠い!」
と、かなり焦りました。
時間も全然足りず、リーディング問題をすべて解ききれませんでした
コーチングを利用して2回目のTOEICで800点超え
短期間でスコアアップするために、スタサプのコーチングを受けることにしました。
私が選んだのは「スタディサプリTOEICパーソナルコーチプラン」。
担当コーチが作成したプランに沿って学習を進め、毎日必ず進捗を報告しなくてはなりません。
つまり、サボれません!笑
コーチの併走のもと約3か月集中して勉強し、2回目の受験で835点を取得できました!
「スタディサプリTOEIC対策パーソナルコーチプラン」についてはこちらで詳しく解説しています。
目標のTOEIC900点を達成
それからさらに3か月後、ついに900点を取得!
スタサプのコーチに勧められ、同時進行で英文法の強化をしていたことも勝因です。
私が使っていた教材はこちら
- スタディサプリのオリジナル教材 (TOEIC公式問題集も含む)
- 話すための英文法ハック 100
- ロイヤル英文法
TOEIC対策本はスタサプ教材と公式問題集のみです
900点を取得して「翻訳者を目指すためのスタートラインに立てた!」と自信を持つことができました。
英文法の効果的な学習法と4技能を強化するコツについては、こちらの記事もご覧ください。
STEP②会社を退職&翻訳講座を受講
37歳で会社員を辞めることは、正直不安しかありませんでした・・・
しかし、TOEIC900点を取得したことで翻訳学校への入学条件を無事にクリア。
「翻訳の勉強に専念するぞ!」という思いで一念発起しました。
翻訳講座にはTOEIC650点以上などの受講目安があります
たくさんの翻訳学校がある中で、地方在住の私が選んだのは通信講座を開講している学校でした。
さらに、翻訳学校としての歴史が長く、講師の質に定評がある学校に絞り込みました。
10万円以下で受講できる翻訳講座については、こちらの記事をご覧ください。
フェロー・アカデミーの翻訳講座を受講
老舗の翻訳学校であるフェロー・アカデミーは、数多くの翻訳者を輩出しています。
速習講座もあり、短期間で翻訳スキルを身につけたい人にもオススメです。
私が受講した講座はこちら
- 翻訳入門<ステップ18>速習コース
- 実務翻訳<ベータ>速習コース
短期間でスキルを習得したかったので、毎日8時間課題に取り組みました。
講師による添削も的確で、構文の解釈法や自然な日本語表現などを幅広く学べたのがよかったです。
添削回数が多いのもポイント!
「フェロー・アカデミー」の内容・料金・おすすめ講座についてはこちら
ISSインスティテュートの単科講座を受講
フェロー・アカデミーの講座を修了してから、ISSインスティテュートの単科講座も受講しました。
ISSでは単科講座を随時開講しているので、学びたい分野に特化して学習することが可能!
単科講座は「5回完結型」のように短期間で受講できる講座です
ISSもベテランの講師が多く、間違いやすい構文やワンランク上の訳出テクニックなどを学ぶことができました。
私が受講した講座はこちら
- ハイレベル英文法集中講義
- 翻訳チェッカートレーニング
STEP③トライアル受験&合格
約1年間の翻訳通信講座を修了し、いよいよ翻訳会社のトライアルを受験します。
いち早く合格を勝ち取りたかったので、月に2~3社のトライアルを受けていました。
求人サイトでトライアルを受ける翻訳会社を選定
まずは翻訳会社のリサーチから!
国内の翻訳会社と海外の翻訳会社では、チェックすべき求人サイトも異なります。
おすすめの求人サイトはこちら
有料登録が必要ですが、国内の翻訳会社の求人や翻訳に役立つ情報をチェックできます。
飜訳の仕事をするなら絶対に登録しておくべきです!
国内&海外の翻訳会社の求人をチェックできます。
案件単位で応募することもできますが、会社に直接メールして履歴書を送ってもOKです。
ビジネス版SNSのように使用しているユーザーが多く、求人も多数掲載されています。
翻訳会社からのスカウトを受けられるチャンスもあるため、登録しておくことをオススメします。
3社のトライアルに応募
まず最初に応募したのは、アメリアで募集されていた翻訳会社のトライアルでした。
国内A社 | 大手 | IT関連のマニュアルの翻訳 (約600ワード) | |
中国B社 | 中堅 | IT関連文書の翻訳 (約400ワード) | |
米国C社 | 中堅 | ITマーケティング文書の翻訳 (約800ワード)/IT知識に関するテスト |
ITを専門にしたいと考えていたので、IT分野に絞って求人を検索。
中国と米国の会社については、それぞれTranslation DirectoryとLinkedInで見つけて応募しました。
希望の分野や専門知識がある分野があれば、そこに絞って応募するのがオススメです!
アメリア経由で求人に応募する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
書類審査に通過&トライアルを受験
応募した3社の書類審査に通過し、いよいよトライアル課題に取り組みます!
各社ともワード数は1,000ワード以下でしたが、特に日本企業のトライアルは内容が専門的で苦戦しました・・・
書類審査に通らないと受験できないんだね!
たいていの場合はそうですね。履歴書の書き方も重要です
トライアルに関する詳しいルールや注意点については、以下の記事で解説しています。
最初のトライアルに不合格
最初に受けた大手翻訳会社のトライアルですが・・・
結果は見事に惨敗!
「最初からそんなにうまくはいかない」とわかっていても、やはりショックでした。
トライアルの答案は返却されない場合が多いので、ミスを振り返ることもできません。
すでに提出した答案の見直し&英文法の復習を行い、次のトライアルに備えました。
複数の翻訳会社から合格をもらう
最初の不合格でしばし落ち込みましたが、2社目から合格通知が届きました!
アジア圏の翻訳会社で単価は低めでしたが、かなりうれしかったのを覚えています。
これを機に?次々と合格をもらえるようになり、半年後には登録した翻訳会社が10社を超えました。
受験した時期 | 受験した会社 | 合格数 |
---|---|---|
1か月目 | 国内1社・海外2社 | 2社合格 |
2か月目 | 国内1社・海外2社 | 2社合格 |
3か月目 | 国内1社・海外1社 | 2社合格 |
4か月目 | 海外3社 | 3社合格 |
5か月目 | 海外2社 | 1社合格 |
STEP④初めて仕事を受注
登録したからといってすぐに仕事をもらえるとは限りません。
会社には「すでに動いているプロジェクトがない」「最初から未経験者に任せるのはちょっと・・・」という事情もあるからです。
私が初めて案件打診を受けたのは、合格から1か月後でした。
トライアル合格後に仕事が来ない時の対処法については、こちらの記事もご覧ください。
初めてレビュー業務を受ける
初めての仕事は、国内の翻訳会社から受注したソフトウェアUIの「レビュー」でした。
レビューとは、翻訳者が翻訳したものを見直して修正する仕事です。
「チェック」や「校正」などと呼ばれることもあります。
500ワード程度の小さな案件でしたが、初めてなのでかなり緊張しました・・・
Excel文書内でのレビューでした
初仕事で大失敗 – 納期を勘違い
初めて受注したレビュー業務でありえない大失敗をしてしまいました!
納期を1日勘違いし、締切当日に会社から催促されてしまったのです・・・
結局は徹夜してなんとか間に合わせましたが、かなり肝が冷えました。
責任の重さを痛感しました
STEP⑤低単価の翻訳案件で下積み
未経験なので当然ですが、最初の1、2か月は1ワード5〜6円の低単価で仕事を受けていました。
主なクライアントは中国・インドの翻訳会社。
「しっかり下積みすることで翻訳スキルを高めよう!」という一心で、オーバーワーク気味で仕事していました。
中国の翻訳会社からの依頼が増える
中国・インド・シンガポールなどのアジア圏の翻訳会社では、欧米の会社よりも単価が低いケースが多いです。
それでも毎日コンスタントに依頼が来るようになり、ようやく収入も安定してきました。
時には翻訳自体が難しく感じることもあり、通信講座の復習やリサーチをしながら必死に取り組みました。
- 日本企業: 平均8~10円
- アジア企業 (日本以外): 6~8円
- 欧米企業: 9~11円
※これらの値は平均的なレートであり、すべてこの限りではありません。
STEP⑥アメリカの翻訳会社から常時プロジェクトを受注
中国の翻訳会社で下積みを続けていたとき、なんとアメリカの翻訳会社から常時プロジェクトのオファーが!
「常時プロジェクト」とは、単発ではなく定期的に案件が発生する安定的な仕事です。
自分が得意としていたマーケティング翻訳だったので、これは大きなチャンスだと確信しました。
LinkedIn経由でオファーをいただきました
毎日途切れなく仕事が来るようになる
大手IT企業のマーケティング翻訳を任されるようになり、1日に2,000ワード程度の翻訳業務を受ける日々。
仕事をする中で「英語の読解力と同じくらい日本語力が重要」だと痛感しました。
特にレビューの仕事では、不自然な日本語表現を修正する必要があります。
自分の得意な日本語を活かせるということもあり、どんどん仕事にのめり込んでいきました。
翻訳学校の単科講座でスキルアップ
常時プロジェクトのメンバーになれたこともあり、さらにスキルアップするために再び通信講座を受講しました。
この時に受講したのは「マーケティング翻訳講座」です。
翻訳者になる前にもお世話になっていたISSは、単科講座が充実しています。
夜遅くまで予習や復習に取り組み、土日も勉強していました。
より専門的な授業で「こなれた訳し方」を習得できました
STEP⑦リード翻訳者に指名されて収入アップ
アメリカの翻訳会社で常時プロジェクトに参加するようになってから、メインのクライアントを2社に絞り込みました。
仕事量が増えて収入の心配がなくなり、自分がこなせる作業量も感覚でわかるようになりました。
リード翻訳者に指名される
会社によって異なりますが、翻訳プロジェクト別 (クライアント別など) に「リード翻訳者」を配置する会社が多いです。
海外企業では「ランゲージリード (Language Lead)」と呼ばれることもあります。
翻訳品質を改善・維持するためにチームに配置され、主に訳文のチェックや翻訳者の指導を行います。
参加していたプロジェクトで大きな評価を得たのがきっかけで、幸いにもリード翻訳者になることができました。
実力重視の海外企業では短期間で昇進できるチャンスも!
昇進をきっかけに報酬アップ
当時、翻訳のワード単価は1ワード10円程度。
アジア圏の翻訳会社と比べれば満足できる単価でしたが、「収入アップしたい!」という思いは常にありました。
リード翻訳者に指名されたことがきっかけで、時給5,000円 (日本円に換算) を実現できました。
月収50万円を達成
リード翻訳者として高時給で仕事できるようになり、毎月の収入が激増!
平均して月収50万円を維持できるようになりました。
最初は単価や時給が低めでも、パフォーマンス次第で報酬アップが可能です。
何よりも重要なのは、「高い翻訳品質を維持すること」と「納期やルールを守って会社から信頼されること」です。
「メールの対応が早い」ことも評価してもらえました
未経験でも翻訳で稼ぐためにやるべきこと
約3年で月収50万を達成できた私が「やってきてよかったこと」と「翻訳で稼ぐためのコツ」を紹介します。
- 翻訳スキルだけでなく、英文法や語彙などの基礎的なスキルも鍛える
- 通信講座や本などを利用して常に勉強するよう心がける
- 日頃から英文を読むようにする
- 仕事がない時はクラウドソーシングも活用する
- 翻訳会社に対して積極的に営業する
- 会社への返信は早く、確実に!
- フィードバックから学ぶ姿勢を忘れずに
とにかく勉強してトライアル合格を目指す
稼げるようになるまでは、徹夜やオーバーワーク、失敗もたくさん経験するはずです。
しかし、翻訳者として成功するためには一に勉強、二に勉強です。
「トライアルに合格できない」「合格したのに仕事をもらえない」という悩みの原因は、語学力の不足と営業不足である場合がほとんど。
私は、以下の方法で日々英語スキルと翻訳スキルを強化していました。
- 英語アプリで学習
- 翻訳講座の受講&復習
- 日常的に英語に触れる
語学力と翻訳スキルは比例します。
翻訳スキルが不足していると感じたら、リーディングアプリなどを使って文法力&読解力を強化するのもおすすめです。
私が活用している英語グアプリについては、以下の記事をご覧ください。
クラウドソーシングを活用する
実務経験がないと、最初から安定的に仕事を受注するのが難しいこともあります。
その場合は「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングを活用するのも手です!
低単価の案件が多いものの、未経験でも仕事を獲得しやすいのがメリット。
登録は無料なので、随時チェックしておくと安心です。
「クラウドワークス」「ランサーズ」で仕事を受注する流れについては、こちらの記事で解説しています。
積極的に営業してスキルをアピールする
「トライアルに合格したのに仕事が来ない」と不安になったら、積極的に営業するようにしましょう!
翻訳会社では、採用担当者やプロジェクトマネージャなどが翻訳者の窓口になっています。
採用時にやり取りした担当者に連絡して、「私が担当できる仕事はありませんか?」とストレートに聞いてもOK。
思いがけなく仕事を振ってもらえることもありますよ
資格の取得やTOEICのスコアアップなども随時報告して、自分のスキルをアピールすることをおすすめします。
フィードバックから学ぶ姿勢を持つ
翻訳会社によっては、自分が翻訳したものについてフィードバックを提供してくれる場合があります。
「ミスを指摘された!」と反発したり、「やっぱりダメなんだ」と落ち込んだりしないようにしてください。
経験者からの具体的なフィードバックは学びの宝庫!
素直に耳を傾け、自分のスキルとして吸収できるようにしましょう。
会社は素直に聞いて改善できる人を求めています!
稼げる翻訳者になるために戦略的にスキルアップしよう!
今回は「翻訳の勉強を始めてから月収50万円稼ぐまでのロードマップ」を紹介しました。
この記事のポイントをまとめると・・・
- 未経験からでも翻訳者として稼ぐことは十分可能
- 未経験から翻訳者を目指すには「英語基礎力の底上げ」が重要!
- TOEICから勉強すれば翻訳力も高めやすい
- 翻訳学校を活用すれば効率的に専門スキルを習得できる
- 収入アップしたいならスキルアップにこだわろう
個人差はあるものの、未経験からでも翻訳者として成功できるチャンスは大いにあります。
翻訳トライアルに向けて、まずは翻訳学校のリサーチから始めてみてくださいね。